お店で出てくるようなおいしいサラダが食べたいけど、自宅だとうまく作れない……。
こんなお悩みにおこたえして、サラダ作りの基本を解説します。
ナビするのはサラダに夢中なkamai(@kamaivege)です。
会社員として働く中、週3回以上はサラダを作って食べており、SNSを通して発信したレシピ数は250を超えました。このブログでは、サラダ作りに関するハウツーやレシピを紹介しています!
中でも一番作っているのが、レタスなどの葉野菜をメインとしたグリーンサラダです。
のべ20人以上のプロや料理好きの作り方を研究すると共に、自ら試してきました。
サラダはおもに野菜と調味料で作られるシンプルな料理です。しかし、料理人の考え方によって作り方が微妙に変わってきます。同時に、みんなが欠かさない共通項も見えてきました。
そこで今回は、プロや料理人から学んだ知識をもとに味がブレにくく誰でも作りやすいグリーンサラダの作り方をご紹介します。
手順さえおさえれば、サクッとおいしいサラダを食べられるようになりますよ!
それではいってみましょう!
この記事は、細かい部分まで徹底して解説します。手軽に取りかかれる簡単なバージョンは こちら からどうぞ。
サラダはレタスがはじまり!
サラダといえば、野菜がふんだんに使われた食事のひとつです。世の中にさまざまなサラダが出回っていますが、はじまりの野菜ってご存知ですか?
レタスです。古代ローマ帝国の時代には価値が認められていたといいます。
えっ、2000年以上も歴史があるんだ……!
原点に立ち返って、レタスでつくるグリーンサラダを作っていきます。
サラダ作りの流れ
サラダ作りは大きく4ステップ踏みます。
- サラダ食材の調達
- サラダ食材の下ごしらえ
- サラダの味付け
- サラダの盛り付け
ひとつずつ見ていきましょう。
サラダ食材の調達
野菜の購入
まずは、材料となる野菜の調達です。
レタスなら、ハリのあるみずみずしいものを選びます。
- 根元から葉先までピンと張っているもの
- 切り口が変色していないもの
サラダ食材の下ごしらえ
レタスが手に入ったら、下ごしらえをしていきましょう。
こちらは最大5ステップです。
- 野菜の洗浄
- 野菜のカット
- 野菜を水にさらす
- 野菜の水切り
- 野菜の冷却
レタスの洗浄
まずは、レタスの洗浄です。
レタスについている汚れを、水で洗い落とします。
ポイントは、葉を1枚ずつはがしたレタスをボウルにたっぷりの水をためて洗うこと。じゃぶじゃぶと水に泳がせれば、汚れをごっそりと洗い流せます。
- 葉っぱを1枚ずつはがす
- たっぷりの水で汚れを洗い流す
洗い方については、こちらにまとめました。
- サラダ用のレタスを3分で汚れなく洗う方法
レタスのカット
洗い終えたら、レタスのカットです。
目指すは「ひとつかみで頬張れる状態」
カットするのは食べやすくするだけではありません。切り方によっては食感を操ることもできます。
レタスの切り方
包丁を使ってレタスをカットしていきます。
サイズは「ひとくちに食べられる大きさ」を目安にします。食べやすく、ドレッシングなどで味をからめやすいです。大きさでいうと4cmほど、ピンポン球のサイズです。
切り方に関しては、包丁を使う or 手でちぎる と料理のプロでも意見がわかれるところです。
五分五分で分かれるから、多数決ではなんとも言えないところです。
総合的に判断して、包丁を使うことをおすすめします。
理由は、レタスの素材感を損なわずにカットしやすいからです。カットで大切なのは
- 切り口をシャープにする
- カットの際にレタスをつぶさない
ということ。理由は、切ったところから水分が出てしまい、そこから傷むからなんです。
その点、包丁ならカットしやすいです。手でちぎることでも可能ですが、絶妙な力加減が必要なので再現が難しいんですよね。
野菜は金気を嫌うから、包丁は使わない方がいいって言わない?
プロが使うような、鋼の包丁で起こるものです。(メンテナンスを怠るとさびる包丁)一般の家庭で使われるステンレス製であれば気にしなくてOKです。
ステンレスの包丁を使っているけど、金物の味が気になったことはないよ。
- ひとくちサイズを目安にカットする
- 包丁なら野菜をつぶさずにカットできる
野菜のカットという観点では、こちらで考察しています。
- 食べやすいサラダと食材カットの法則
レタスを水にさらす
レタスをカットしたら、水にさらします。
目指すは「レタスのハリを取り戻した状態」
水にさらす目的は、野菜本来のみずみずしさを取り戻すことです。
新鮮なレタスを買ってきたんだけど、それでもみずみずしさを取り戻すってどういうこと?
あなたの手に届くまでの過程を想像するとわかります。
畑で育つレタスは地中から水分を吸い取って、自らに水分をたくわえています。収穫されれば根が刈り取られ、レタスの給水手段が失われます。つまり、畑で収穫された瞬間からレタスは乾いていきます。
そんな状態から
- 農家さんで箱詰めされる
- トラックで市場へ運ばれる
- 卸から小売のスーパーへ運ばれる
- 店頭に並べられる
この間、畑の養分を吸えずに陽の光に当たらないレタスはストレスを受けています。
収穫から手にするまで、数日は過ぎていることが一般的です。つまり、レタスの水分が失われるんですね。
水のさらし方
ボウルにためた氷水に、5分ほどレタスをさらします。
氷水で冷やすことで、レタスはハリが出ます。パリッと食感の良さにつながります。
長時間、放っておくのは避けてください。ハリがなくなって水っぽくなってしまいます。レタス本来の味も水に流れ出てしまいます。
これだと、無味のおいしくないレタスになっちゃうんだよね。
また、状態としてはカットする前の葉の状態で葉をさらします。
カットしてしまうと、できた断面から必要以上にレタスの成分が流れ出してしまいます。
- レタスを水にさらすのは短時間
- 氷水にさらせば「パリッ」とハリが出る
レタスの水切り
下ごしらえの最終段階です。野菜についた水気を取り去ります。
目指すは「野菜の表面が乾いた状態」
水っぽいサラダっておいしくないですよね。なんででしょうか?
ドレッシングをはじめとした味付けをした際に、野菜についた水分が味をうすめてぼやけてしまうためです。
味わいだけではなく、表面に水分の残った野菜は傷み始めるといったデメリットもあげられます。
この点に気をつけて、しっかり水気を切ります。
水の切り方
先にキッチンペーパーでふき取るには手がかかりますし、カサがあってデコボコしたレタスを扱うには手がかかります。そこで、2段階にわけて水切りします。
- 9割の水気をとる
- 残り1割の水気をとる
まずはサラダスピナーなどでおおよその水気をとります。
ざっと水気を取ったあと、ふきんやキッチンペーパーで細かい水気を拭き取ります。
野菜はつぶれやすいです。ここでは、やさしい手つきで扱ってください。野菜はつぶれやすいです。
- サラダスピナーでざっと水気をとったあと、キッチンペーパーで細かい水気をふきとる
- 野菜はつぶれやすいため、やさしく扱う
ほかにもザルを使う方法を試してみましたが、サラダスピナー&キッチンペーパーが使いやすかったです。
比較結果など、詳しくはこちらにまとめました。
- 野菜の水切り方法4選と組み合わせ方
レタスの冷却
切ったレタスは冷やします。
目指すは「シャキッとした状態」
サラダの温度も大切です。冷やしてシャキッとさせてあげましょう。
明確な時間はありませんが、さわってひんやりしていればOKです。1人前なら30分も冷蔵庫に入れれば冷えます。
冷やし方
冷蔵庫に入れてレタスを冷やします。ここでは水分の扱いがポイントです。
こんな形にしていませんか?
葉野菜であるレタスは、水分が蒸発するとラップに水滴がついて結露した状態になります。放置していると、そのしずくが垂れます。するとレタスは濡れて傷んでしまいます。
そこで、キッチンペーパーや乾いたふきんを使います。
余分な水分を吸い取ってくれることで、レタスはパリッとした状態を維持できます。
時間が経つほどペーパーは湿ってきますので、適宜とりかえてくださいね。
サラダの味付け
野菜の準備ができたので、味付けに移りましょう。
調味料を混ぜる(ドレッシングを作る)
調味料を混ぜて、ドレッシングを作ります。
目指すは「調味料が一体になった状態」
調味料には、さまざまな状態のものがあります。塩といった固形物、ねばりけのあるもの、サラッとした液体のもの。これらをしっかりと混ぜて、均一な状態にします。
こうすることで、このあと混ぜる時に味のムラをなくすことができます。
ドレッシングの作り方
ドレッシングの材料を用意します。
これらを用意して混ぜます。混ざり合っていないと、油っぽさが出てしまう一方でお酢や塩が悪目立ちします。水分と油の分子が細かく砕けて混ざり合うところまで溶いてください。
調味料の比率は「お酢に対してオイルは3倍」と覚えておけばOKです。(レシピ本ではこの比率が主流でした)「オイルは4倍」とする場合も見かけますので、酸味が苦手な方はオイルで伸ばすといいです。
塩は、しっかりと感じるほどに入れてください。野菜とドレッシングを混ぜ合わせることで、野菜の水分によってドレッシングの味はトータル薄まります。
詳しくはこちらへ。
- たった3つでできる基本ドレッシングの作り方
調味料を混ぜなくてもいい
調味料を混ぜるのは、日本国内だと正統派です。しかし、混ぜない形もあります。
たとえば、イタリアでは生野菜のサラダに調味料を直接かける食べ方があります。
オリーブオイルそのままかけると、油っぽくならない?
オリーブオイルの風味が感じられるし、油っぽさは気にならないよ。
イタリアの方々は「オリーブオイルをソース」として捉える方もいらっしゃるようです。だからむしろたっぷりとオイルをかけるんですよね。
そっか、バゲットにオリーブオイルつけて食べるもんね。
ちょっといいオイルやビネガーを選ぶと、香り豊かでごちそうになるよ!
- サラダにあうバルサミコ酢の魅力と使い方
レタスとドレッシングを和える
いよいよ、野菜とドレッシングを和えます。
目指すは「野菜全体にドレッシングが行き渡った状態」
ここでのポイントは、サラダに味を行き渡らせることです。
ドレッシングを上からかけたら、食事の前半は味濃いめ・後半はドレッシングがどこかにいってしまった…なんてことありませんか?
カサのあるグリーンサラダほど、先に味付けをしておくことがおいしさへの近道です。
レタスとドレッシングの和え方
レタスとドレッシングをまんべんなく混ぜるには、ボウルを使うのがポイントです。
レタスは空気を含んでいることや表面積が広いため、まんべんなく和えるのは意外と難しかったりします。そこで、重量のあるドレッシングをボウルの中で行き渡らせる形をとります。
- ドレッシングをボウルに入れる
- レタスを入れる
- ボウルの下から上にかき混ぜる
辛味のかいわれ大根を混ぜます
手を使うとやさしくサラダを扱うことができます。
トングや菜箸でもいいですが、ボウルの底にたまっているドレッシングは拾いにくいです。
手の感覚は優れているため、プロでも手を使って混ぜることをすすめる方はよく見かけます。素手に抵抗があれば、ビニール手袋を使うといいですよ。「サラダハンド」という混ぜ専用の調理器具を使う方法もあります。
混ぜ方についてはこちらもどうぞ。
- サラダをおいしくする秘密は「混ぜ」にある!【サラダ作りのコツ】
和えるタイミングは「食べる直前」
また、和えるタイミングも重要です。
ほかの料理を準備している間にも、ドレッシングのかかった野菜は水分が出てしまい、べちゃっとしたサラダになってしまいます。塩気が含まれたドレッシングでは、浸透圧の関係で野菜から水分を引き出してしまうのです。
理想のタイミングは、ほかの食事ができあがった後です。
難しい場合は、ドレッシングを食卓に用意しておき、食べる直前にかけるように配慮すればOKです。
サラダの盛り付け
いよいよ、仕上げです!調理したサラダをお皿へ盛り付けていきましょう。
うつわ選び
まずは、盛りつけるうつわを選びます。
目指すは「あなたが求める一皿」
できあがったサラダに求めるものは、人によってさまざまです。
ボリューミーに見せたい、少量でおしゃれに盛り付けたい、食べやすければいい、など。
ここで大切なのは、サラダの仕上がりになにを求めるか?です。
選ぶ基準軸はこんなものがあります。
- 食べやすさ
- たっぷりのサラダをムシャムシャ食べたい
- 少量のサラダをゆっくり食べたい
- 時間がないのでサクッと食べたい
- 見た目
- ボリューミーに見せたい
- 芸術的な一皿に見せたい
- 見た目はあまり気にしない
イメージできましたか?ここまでわかれば、うつわ選びは自然と決まります。
うつわの選び方
うつわの形から決める
うつわは、形に着目するとボウル型・すり鉢型・平皿の3つに大別できます。
これらを、先ほど決めた基準軸に当てはめてみます。
比較項目 | ボウル型 | すり鉢型 | 平皿 |
---|---|---|---|
食べやすさ (大量) | ◎ こぼれにくい | ○ すくって食べやすい | △ サラダが逃げて食べづらい |
食べやすさ (中〜少量) | ◎ | ◎ すくって食べやすい | ○ サラダが逃げて食べづらい |
見た目 (大量) | ◎ ボリューム感 | ○ 平凡 | ◎ こんもりして映えやすい |
見た目 (中〜少量) | △ さびしい印象 | ○ 平凡 | ◎ 芸術性が上がる |
うつわの素材から決める
先ほど決めた形に加えて、どのような印象を与えたいかを考慮すれば、うつわの候補は絞れます。
比較項目 | 陶器 | ガラス製 | 木製 | プラスチック製 |
---|---|---|---|---|
印象 | 落ち着いた雰囲気 | 透明感 涼しげ | 温かみ | チープ・子どもっぽい ギアっぽい |
色味 | なんでもあり | クリア | ブラウン〜イエロー系 | なんでもあり |
柄・模様 | なし あり | なし あり | あり(木目) | なし あり |
使いやすさ | 割れる恐れがある 洗いやすい | 割れる恐れがある 洗いやすい | 割れず丈夫 | 割れず丈夫 アウトドアで使いやすい |
この他の素材や、さまざまな特徴についてはこちらから。
- 「素材」で決める器の選び方
今回は、サラダの量はそこそこにシンプルで落ち着いた雰囲気を出したいので、陶器の平皿(やや、すり鉢状)を選びました。
うつわへ盛り付け
うつわが決まったら、調理したサラダを盛り付けていきます。
目指すは「おいしそうな一皿」
下ごしらえや味付けが100点でも、盛り付け次第で大幅に減点されることがあります。盛り付けは最重要事項です。
3つのポイントをおさえた盛り付け方
具体的には4つのポイントをおさえます。
- 色合い
- 高さ
- 量
1つは色合いです。既に混ぜ合わせて、野菜の色がランダムなので配置にはこだわっていません。もし、サニーレタスの黒い部分が随所で集中しているなどあれば分散させてあげます。
かいわれ大根も同様です。細長い形状なので、向きに偏りがあればこちらも分散させます。
2つ目は高さです。空気を含ませてふんわりと盛り付けます。高さを意識してこんもり積み上げましょう。
3つ目は量です。選んだうつわに対して、8割を目標に盛り付けます。ボリュームが出て、そそる一皿になりますよ。
色合い・高さ・量の3つ、そしてうつわを意識することで、バランスのとれたサラダの盛り付けができます。
こちらの記事では、さまざまなサラダを例に出しながら解説しています。
- おいしさアップ!4つのポイントでおさえるサラダの盛り付け方
サラダをめしあがれ!
長らく、お疲れさまでした。ついにグリーンサラダの完成です!
ドレッシングが、レタスになじんで少ししっとりしています。時間を置かずに食べてしまってくださいね。(時間が経つに連れて水気が出てきます)
頬張ればシャクシャク。どこかがしょっぱいなど偏りもなく、安心して食べられます。
【まとめ】基本をおさえておいしいサラダを作ろう
この記事では、レタスを使ったグリーンサラダの作り方について解説しました。
基本をおさえておけば、常にパリッとしたサラダを作れるようになります。食材を増やせば、バリエーションも増えますよ。おいしいサラダを作って、食卓を彩ってくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考にした文献
作り方のコツは、主にこちらのサラダ・料理本を参考にしました。
- サラダ作りにオススメの本を紹介!
【関連】サラダ作りで使う調理道具
サラダ作りにかかせないアイテムについては、こちらで紹介しています。
- サラダ好き愛用の調理道具
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